JOLTS(求人・離職動向調査)とは?
JOLTSは「Job Openings and Labor Turnover Survey」の略称で、企業の求人件数・採用件数・離職件数(自発的な離職=クイッツ、解雇・レイオフなど)を集計する調査です。 失業率や非農業部門雇用者数(雇用統計)だけでは見えない、労働市場の需給バランスを測る指標として注目されています。
米国のJOLTSは労働省(Department of Labor)の労働統計局(BLS)が集計し、毎月発表します。発表時期はCPIやPPI、雇用統計よりも1ヶ月ほど遅く、翌々月にずれ込む形で公表されます。
| 名称 | 求人・離職動向調査(JOLTS) |
|---|---|
| 発表機関 | 労働省 労働統計局(Bureau of Labor Statistics) |
| 発表時期 | 毎月上旬〜中旬ごろ(2ヶ月前分のデータを発表) |
| 概要 | 求人件数・採用件数・離職率(クイッツレート、レイオフ率)などを集計する指標。 |
| 特徴 | FRBが労働市場の需給逼迫度を判断する際に重視する指標。ただし発表が1ヶ月遅れのため、サプライズになりにくい |
求人件数とクイッツレート(自発的離職率)
JOLTSでは複数の項目が発表されますが、特に注目されるのは以下の2つです。
①求人件数(Job Openings):月末時点でまだ埋まっていない求人の数。労働需要の強さを示す
②クイッツレート(Quits Rate):自己都合で離職した労働者の割合。労働者が自信を持って転職できる環境かどうかを映す指標
求人件数が減少し、クイッツレートが低下する局面は、労働市場の減速(=将来の失業率上昇や賃金インフレ鈍化)のサインとして捉えられることが多く、パウエルFRB議長も求人件数と失業者数の比率にたびたび言及しています。
JOLTSが金融市場に与える影響
JOLTSはFRBの金融政策判断の材料の一つですが、発表が2ヶ月前分のデータであるため、雇用統計やCPIと比べると市場のサプライズ材料になりにくく、反応も限定的な傾向があります。
それでも、求人件数やクイッツレートのトレンドが大きく変化した場合は、将来の雇用統計や賃金動向を先取りする材料として株式・債券市場が反応することがあります。
あくまで一般的な傾向であり、発表当時の金融政策スタンスや他の経済指標との兼ね合いによって市場の反応は変わる点には注意が必要です。