一定期間内(通常は四半期)にアメリカ国内で新たに生産されたすべての財(商品)とサービスの総額を指し、アメリカ経済の規模や成長率を示す最も基本的な指標です。 GDPは「Gross Domestic Product」の略称で、国の経済の健康状態を把握する上で重要な役割を果たします。
米国GDPは商務省が集計し、四半期ごとに発表します。各四半期の翌月(1-3月期であれば4月)の最終木曜日に「速報値」、 その翌月に「改定値」、さらに1ヶ月後に「確定値」が発表されます。最終木曜日が月末と重なる時には、前日の水曜日の発表となります。
GDPは国内総生産という名前が付いている通り、その国のモノ(財)やサービスを、どれくらい作り出したのかを知るための指標です。 形のある製品であればまだ分かりますが、形のないサービスなどは、それを作り出したことをどのようにして調べることができるのでしょうか?
実際には作り出したものやサービスのデータを追跡するのではなく、モノやサービスに対してどれだけのお金が支払われたのかを基に数字を算出しています。 そういう点では国内総生産というよりも、国内総消費、あるいは国内総支出みたいなイメージの方が伝わる気がします。
またその支出額の算出方法も2つ方法があり、
①実際の金額をそのまま使う方法(名目GDP)
②物価変動の影響を排除した金額を使う方法(実質GDP)
1つ目の名目GDPは、インフレが進めば金額が大きくなり、2つ目の実質GDPは物価変動の影響を排除した金額を使って計算するため、経済が実質どの程度成長したのかを知ることができます。
米国では基本的に実質GDPが使われています。
名称 | GDP(国内総生産) |
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発表機関 | 商務省(Department of Commerce) |
発表時期 | 四半期ごとに3回に分けて発表 ・速報値:1、4、7、10月 ・改定値:2、5、8、11月 ・確定値:3、6、9、12月 |
概要 | 統計期間内に作り出されたモノやサービスの付加価値の総額。名目GDPと実質GDPがある(後述)。 |
特徴 | 米国経済の景気動向を計る最重要経済指標 |
大元の米国商務省のウェブサイトからGDPのデータを見ていこうと思います。
SBIやみずほ証券、そのほかのサイトからでもGDPの値を参照できる環境ですが、入門する場合などは必ず1次情報の資料から全体を把握するようにすることが大切です。
米国商務省 GDPページ(http://www.bea.gov/national/index.htm#gdp)
では書かれている箇所と生成AIに読ませていきたいと思います。この際ですが、生成AIがハルシネーションを起こしていないか人間の僕らが検証する必要があります。
英語の文章を分かりやすくまとめると、
実質GDPは2025年第2四半期に年率換算で3.0%増加。 前期(第1四半期)は0.5%減少していた。
増加の主因は 輸入の減少(GDP計算ではマイナス要因が小さくなるためプラス寄与)と 個人消費の増加。 一方で、設備投資と輸出の減少が成長を部分的に抑制した。と書かれてありますね。
Current releaseとNext releaseでは公表日と次回予定が書かれており、次にGDPの発表は2025年8月28日のようですね(改定値)。
Q2の詳細なデータは「Current Release」をクリックすれば見れます。
Current Releaseの項目内にFull Release & Tablesがありますので、こちらをクリック。詳細なデータがPDFで入手できます。
詳細を知りたい方はまずはPDFファイルを見ればいいでしょう。レポートの最初の数ページは解説で、その後に用語の説明などが載っています。 そして最後に項目ごとの数字データが表として掲載されています。
この資料にはGDPの総額だけでなく、経済活動を構成する個人消費や設備投資などが記載されています。内容を細かく分析したければ、やはりこのデータを見る必要があるでしょう。 データベースは英語版のみなので、生成AI等を駆使する必要があります。記載内容に慣れれば見るべき数字は分かると思います。
PDFデータの全てをチェックすると時間がかかってしまうため、最初の4シートで十分です。
GDPは経済指標のまとめと呼べるものです。
その国の経済を見る上での重要なデータの全てが詰まっているといっても過言ではありません。 その国の経済が好調なのかスランプ気味なのか、大きな流れはこれで掴むことができます。
一方で難点を挙げれば、扱う項目が多いため四半期に1度しか発表がないことと、データの集計や発表が遅くなることです。 速報値ではまだ十分なデータが揃っていないため、いくつかの項目は実際に集計したデータではなく、過去のデータの推移から算出することもあります。
時間が経つにつれてデータも揃ってきますので、それを受けて全体を調整していくことになるのですが、特に速報値から改定値にかけては、数字が大幅に修正されることも珍しくありません。
よって、相場の先を読むための指標ではなく、あくまでも全体の流れを掴むための指標なのだと理解しておいてください。