ECI(雇用コスト指数)とは?

ECIは「Employment Cost Index」の略称で、企業が労働者1人を雇用するのにかかるコスト(賃金・給与に加え、健康保険や年金などの給付=ベネフィットを含む)が、一定期間でどれだけ変化したかを示す指標です。


米国のECIは労働省(Department of Labor)の労働統計局(BLS)が集計し、四半期ごとに発表します。発表時期は四半期終了の翌月末ごろ(例: 1〜3月分は4月末ごろ)です。

名称雇用コスト指数(ECI)
発表機関労働省 労働統計局(Bureau of Labor Statistics)
発表時期四半期ごと(四半期終了の翌月末ごろ)
概要雇用コスト(賃金・給与+ベネフィット)の変化を測定する指標。総合コスト・賃金・給付の3つの見方がある(後述)。
特徴雇用者の職種・産業構成の変化に影響されないため、賃金インフレの実態を最も正確に映す指標としてFRBが重視する

総合コスト・賃金・給付の3つの見方

ECIには複数の見方があります。

総合コスト(Total Compensation):賃金・給与とベネフィットを合わせた全体のコスト
賃金・給与(Wages and Salaries):労働者に直接支払われる現金部分
ベネフィット(Benefits):健康保険・年金・有給休暇など、現金以外の給付コスト


ECI最大の特徴は、雇用者数調査(雇用統計の平均時給など)と違い、職種や産業の構成変化(雇用シフト)の影響を受けない点です。そのため、企業が実際に負担している賃金インフレ圧力をより正確に映す指標として、FRBが金融政策を判断する際に重視しています。

ECIが金融市場に与える影響

ECIはFRBが賃金インフレの持続性を判断する材料として重視しているため、市場予想と発表値が乖離すると、株式・債券・為替市場が反応することがあります。

市場予想を上回るECIが発表された場合、賃金インフレの根強さが意識され利上げ観測が強まりやすく、長期金利の上昇やドル高、株価の下落につながりやすくなります。 反対に市場予想を下回った場合は、逆の反応が見られる傾向があります。

ただし発表が四半期ごとで頻度が低いため、CPIや雇用統計ほど頻繁に材料視されるわけではなく、あくまで一般的な傾向として捉える必要があります。